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殉死(じゅんし)

主君などの死に際し,その家臣や妻子らが死者の後を追って自殺すること。多くは切腹するので追腹(おいばら)とよぶ。鎌倉時代以降,敗北に際して家臣たちが集団自殺することが行われた。しかし日本の殉死の特徴は,病気などで死んだ主君の後を追って自殺する風習が流行することである。その初見は「明徳記」にみえる三島外記入道の事例だが,江戸初期にはそれが美風とされ流行し,1657年(明暦3)に死んだ鍋島勝茂には26人もの殉死者があった。主君の小姓らのほか比較的下層の者が,強制によるよりもむしろ進んで死んでいることが多い。これを重くみた幕府は,63年(寛文3)厳罰をもって殉死を禁止し,その風習はほぼ絶えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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