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4コマで「ヨーロッパ統合」(誕生編)

イギリスEU離脱の条件が、正式に合意に至りました。第二次大戦後から進められてきたヨーロッパ統合は、新しい局面に入ります。ここでは時間をさかのぼり、およそ70年前にはじまったヨーロッパ統合誕生のストーリーを4コマで振り返ります。

4コマで「ヨーロッパ統合」(誕生編)

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ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)

1950年5月フランス外相シューマンの発表した,独仏両国の石炭,鉄鋼をプールするという構想(シューマン・プラン)にもとづいて計画された。独仏2国にベルギー,オランダ,ルクセンブルク,イタリアの4カ国が加わって,52年夏発足した。石炭,鉄鋼部門でのほとんど完全な統合であるこの共同体は,生産・雇用の増大,生活水準の向上,労働条件の改善,価格決定の合理化,通商上の差別待遇の撤廃に努力することになっており,国境をこえる単一市場の設置と,運営の手段として超国家機関を利用した最初の試みである。EU成立とともにその傘下に入った。

山川 世界史小辞典(改訂新版)、728ページ、2004年、山川出版社

ヨーロッパ原子力共同体(EURATOM)

1957年3月のユーラトム条約にもとづいて58年に設立された委員会。原子力の平和利用や原子力発電の共同開発などを目標とし,一国だけで投資し開発するには困難な分野である核融合,高速炉,船舶用炉に重点が置かれた。当初加盟国は6カ国であったが,67年にヨーロッパ経済共同体(EEC),ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)とともにヨーロッパ共同体(EC)に組織体制が統合され,現在はヨーロッパ連合(EU)に引き継がれている。

山川 世界史小辞典(改訂新版)、727ページ、2004年、山川出版社

ヨーロッパ経済共同体(EEC)

その精神的祖は,第一次世界大戦後に『パン・ヨーロッパ』を著したクーデンホーヴェ・カレルギ伯である。第二次世界大戦後西ヨーロッパ復興のため諸国の協力の必要が痛感され,フランスのシューマン外相の提唱により1952年ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)が成立した。57年これを経済の全分野に拡大するローマ条約が調印され,58年1月EECが発足した。これはフランス,西ドイツ,イタリア,ベネルクス三国の6国が相互に経済的国境を取り払って一つの共同市場をつくったものである。67年ECに拡大,発展し,93年EUになった。

山川 世界史小辞典(改訂新版)、727ページ、2004年、山川出版社

ヨーロッパ共同体(EC)

1967年7月,ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)の最高機関,ヨーロッパ経済共同体(EEC)とヨーロッパ原子力共同体(EURATOM)の委員会の3者が統合,EC委員会を結成し,同時に理事会もEC理事会に一本化されたことにより誕生。当初,フランス,西ドイツ,イタリア,オランダ,ベルギー,ルクセンブルクの6カ国が参加。73年イギリス,アイルランド,デンマーク,81年ギリシア,86年スペイン,ポルトガルが加盟。関税同盟を完成し,同時に共通農業政策(CAP)も始動。87年,単一欧州議定書が発効,EFTAエフタとを形成。93年に発効されたマーストリヒト条約により,ECはEUに発展的に解消された。

山川 世界史小辞典(改訂新版)、727ページ、2004年、山川出版社

シリーズ:4コマで「ヨーロッパ統合」

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