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- どの人間の一生も、自分自身へと向かう道であり、その道の試みである。
どの人間の一生も、自分自身へと向かう道であり、その道の試みである。
ドイツの文学者 ヘルマン=ヘッセ『デーミアン』
どの人間もあますことなく自分自身でありたいと願い、自分らしい人生を十二分に生き切りたいと思う。しかし、世の中にでれば、妥協、馴れ合い、挫折、あきらめが続き、自分自身への道は途絶えがちである。気がつかないうちに、世間という複雑怪奇な森に迷いこんでいる。ヘッセは、ほとんどの人は人間にさえなれず、カエルやバッタのまま中途半端に生を終えるとさえ言っている。しかし、そのような困難の中でなお自分自身であろうと試み続けるところに、一生を生きる意義があるのだろう。人生とは自分自身へと向かって困難が立ちはだかるフィールドを駆けぬけ、トライを決めようとする試みである。自分というボールをしっかり抱え、手放さずに走り続けよう。もういちど読む山川哲学 ことばと用語、13ページ、2015年、山川出版社
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