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  2. あらゆる生きとし生けるものが安楽であるように、平安であるように、心から安楽であるように・・・いまここに現在いるものも、 過去に存在したものも、未来に存在しようとしているものも、あらゆる生きとし生けるものが、心から安楽であるように。

あらゆる生きとし生けるものが安楽であるように、平安であるように、心から安楽であるように・・・いまここに現在いるものも、 過去に存在したものも、未来に存在しようとしているものも、あらゆる生きとし生けるものが、心から安楽であるように。

ブッダ 『スッタニパータ(経集)』

命はうれしいものであるが、同時にはかなく、もろいものである。うれしいものであるがゆえに、その命を失うことには深い悲しみが伴う。だからこそ命を慈しみ、すべての命が安らかに、楽であるようにというブッダの祈りが生まれる。慈悲の悲は、他者の苦しみをわがことのように悲しむことをさすという。命を生きることのうれしさと同時に、そのはかなさの悲しみを知る者が、真に命を慈しむ心に目覚めることができる。あなたの命を見る目の色が深まれば、それだけまわりの命の深さが見えてくる。金銭や財貨は見えても、命が見えない目の浅い者たちの心の浅はかさよ。

もういちど読む山川哲学 ことばと用語、73ページ、2015年、山川出版社

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