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生まれながらの真心というものこそ、人の道なのである。

江戸時代の国学者 本居宣長 『玉勝間』

おいしいものはおいしい、恋しいものは恋しい、つらいことはつらい、その自然な心が真心であり、その本心に素直にそって生きていけという教えである。もちろん世の中を渡っていくには、我慢をし、耐え忍び、お世辞もいい、いつも自分に素直にばかりには行かない。それを承知の上で、なお自分を歪めず、屈折せず、偏屈にならず、自分の自然な心を活かしていく工夫が大事である。不自然な歪んだ生き方は、どこかで無理が生じる。無理な生き方は、どこかで行きづまる。世の中には無数の生き方がある。様々な生きる場所がある。そこから自分を自然に活かせる道を探し出そう。

もういちど読む山川哲学 ことばと用語、79ページ、2015年、山川出版社

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