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足るを知ることで満足するならば、つねに満足していられる。

古代中国の思想家 老子 『老子』



足るを知る、満足することを知るという知足の教えである。もちろん満足してしまえばそこで終わり、つねに自分に満足せず、より高みを目指す、これも生き方である。しかし、つねに飢え渇いた飽き足らぬ心には、何か空しさの風が吹き込むこともある。時には今の自分の生活や仕事、今日という一日に満足を知る心をもつことも大切なことである。大きな災害が起こるたびに、我われは日常の生活のありがたさを思い知る。ありがたいとは、有り難い、一見月並みに見えても、その背後ではいつ訪れるかもしれぬ危機にさらされ、めったにありえないという意味である。その日常の有り難さを心に留め、日々の生活に感謝し、満足することも幸せの条件である。

もういちど読む山川哲学 ことばと用語、44ページ、2015年、山川出版社

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