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[中世中国の歴史4]中国の分裂と北方民族の活躍〜インフォグラフィックで、もういちど読む山川世界史 Vol.12〜
10世紀はじめに唐がほろぶと、中国は分裂の時代へ。その間に北方民族が勢力を広げました。世界を席巻したモンゴル帝国誕生の前夜、遼や西夏、金といった諸国家の興亡をみていきます。
インフォグラフィックで「北方諸民族の活動(前)」〜『新 もういちど読む山川世界史』より〜
遼と西夏
民族意識にめざめて独立しはじめたが,
とくにモンゴル高原と中国東北からは
強い勢力があらわれ,
一時期をのぞき,20世紀初めまで,
中国内地の一部,または全部を支配した。
トルコ系民族の勢いが弱まると,
遼河の上流で遊牧していた
契丹人が勢力を強め,
10世紀初め遼(916~1125年)をたてた。
渤海をほろぼし(926年),
華北の一部(燕雲十六州,現在の北京周辺)を
領有して大勢力となった。
遼は北方の狩猟・遊牧民には
固有の部族制を,
漢人などの農耕民には
州県制を用い,
二重の体系で統治した。
また独自の契丹文字をつくり,
民族意識を高めた反面,
中国文化をとりいれ,
仏教を尊崇して『大蔵経』の
印刷までおこなった。
しかし11世紀末にはおとろえ,
宋と結んだ金にほろぼされた
(1125年)。
11世紀前半には,
中国西北の寧夏地方に
チベット系のタングートが
独立して西夏
(1038~1227年)
をたてた。
西夏は小国ながら,
宋と遼の対立を利用して勢力を保ち,
東西陸上貿易の要路をおさえて,
経済的利益をあげた。
また中国の文化・制度を採用し,
西夏文字をつくり,
仏教をさかんにしたが,
13世紀にモンゴル帝国にほろぼされた。
金の盛衰
中国東北に住み,
おもに狩猟をいとなんでいた
ツングース系の女真は,
遼の支配をうけていたが,
12世紀初め
その一部族長が統一して
金(1115~1234年)をたてた。
金は宋と同盟して遼をほろぼすと,
華北に侵入して宋の首都を占領し,
宋を江南に追いやった。
金は女真文字をつくり,
はじめ原住地に本拠をおいていたが,
やがて華北に進出し,中国化していった。
金の治下の華北では
儒教・仏教・道教の三教を
調和した全真教がおこった。
12世紀末ころから
金は国力がおとろえ,
モンゴル帝国にほろぼされた(1234年)。
関連用語
契丹(きったん)
10世紀初めに遼を建てたモンゴル系民族。8世紀前半のオルホン碑文にはキタイKitai,8世紀中頃のウイグル碑文では複数形のキタンKitanの名でみえる…続きを読む
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Xixia 1038~1227 チベット系タングートが中国西北部に建てた国の宋での呼び名。タングートは9世紀の初めオルドスの夏州を中心に強力となり,黄巣(こうそう)の乱を討った功績で唐から李姓を与えられた…続きを読む
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金(きん)
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