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安政の大獄(あんせいのたいごく)

1858~59年(安政5~6)に大老井伊直弼(なおすけ)が尊攘派に行った弾圧。井伊は13代将軍徳川家定の継嗣をめぐって一橋派と対立し,南紀派の推挙で大老となり一橋派有司を左遷した。また日米修好通商条約を勅許を得ないまま締結した。この二つの問題の強硬処理後,井伊は徳川斉昭(なりあき)・松平慶永(よしなが)らを処分し,条約調印に激怒した孝明天皇の上京命令を無視。京都では反幕勢力が増大し,志士が集結した。井伊は志士の逮捕・投獄を中心とする大弾圧を開始し,京では梅田雲浜(うんぴん)ら,江戸では橋本左内ら,長州では吉田松陰が逮捕され,京の僧月照はのがれて自殺した。翌年には朝廷内にも処罰者が出た。58年暮~59年3月,幕府は逮捕者を江戸に護送し断罪。これによって反対派を一掃したが,幕府自体の力を弱めることになった。60年(万延元)3月3日,井伊が桜田門外の変により横死し,大獄は終了。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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