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漢氏(あやうじ)

渡来系の氏族。東(やまと)漢氏と西(かわち)漢氏の両系があり,両者の間に同族関係はないと考えられる。東(倭)漢氏は阿知使主(あちのおみ)を祖とする有力氏族で,後漢の霊帝の後裔というが,朝鮮半島系とみる説もある。大和国高市郡檜前(ひのくま)を本拠に,新たに渡来した技術者(漢人(あやひと))や部民(漢部(あやべ))などを統率する地位を得て発展。7世紀頃までに書(ふみ)(文)・坂上(さかのうえ)・民などの枝氏に分裂。姓ははじめ直(あたい)。枝氏も一括して682年(天武11)に連(むらじ),ついで685年に忌寸(いみき)に改姓。西(河内)漢氏は中国系という渡来系氏族。大和国を本拠とした東漢氏に対し,河内地方を本拠に同地の漢人・漢部らを統率したか。東漢氏にくらべ氏勢はあまりふるわない。はじめ直,683年に連,685年に忌寸に改姓。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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