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鎮護国家(ちんごこっか)

仏教の教義にもとづいて国家を護ること。またそれを期待する思想。仏教思想を統治の手段として利用しようと図った律令国家は,この効果をえるために官寺を建立し,法会(ほうえ)を営んで「金光明最勝王経(こんこうみょうさいしょうおうきょう)」や「法華経(ほけきょう)」といった護国経典を読誦させた。具体的には五穀豊穣・疫病終息・敵国調伏(ちょうぶく)といった国家安寧の効果が期待されたが,同時に天皇の身体護持と,仏教の教義にもとづき天皇の存在を正当化しようとする意図が含まれ,鎮護護国は仏教による国土・国王の双方の擁護を意味するものであった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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