勅封(ちょくふう)
天皇の命令によって封を加えること。またその封印。開封には勅許を必要とする。正倉院は勅封の倉として,現在もその形式に従って開閉を行っている。正倉院宝物の成立した奈良時代から勅使によって開閉され,室町時代以降には天皇の宸筆の御封を用い,今日に至る。最初に宝物を納めた756年(天平勝宝8)当初には正倉の北倉のみが勅封倉であった。ついで中倉が1116年(永久4)かそれ以前に勅封となっており,南倉は1875年(明治8)に正倉院が東大寺から国に移管されてから勅封となった。正倉院のほかに,現在勅封の制度が残るのは京都御所東山御文庫のみである。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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