重陽(ちょうよう)
陽数(奇数)の極である九が重なる意で,9月9日の節をいう。中国でこの日に行われていた,高い山に登り菊酒を飲んで災難をのぞく民間行事にちなみ,日本でも天武朝から宴がもよおされるようになり,宮廷の行事として定着したと考えられるが,雑令節日条には規定されなかった。嵯峨朝以降,神泉苑に詩賦の宴を開くことが広く行われるようになり,淳和朝の831年(天長8)から紫宸殿の重陽節の儀式がととのい恒例となった。江戸時代には五節供の一つとして民間に広まった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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