徴兵制度(ちょうへいせいど)
国家は国民が防衛すべきであるとの考え方から兵役を国民の義務として負わせる制度。幕末期に萩藩の兵制改革にあたった大村益次郎によって始められ,普仏戦争後のヨーロッパの兵制にならって山県有朋(やまがたありとも)らが実現した。1873年(明治6)1月10日発布の徴兵令は,79年(免役範囲を縮小),83年(代人制全廃,免役を徴集猶予に変更),89年(徴集猶予を大部分制限)と改正をかさね,1927年(昭和2)の兵役法で国民皆兵主義に近づいた。しかし軍当局は,良質な軍隊の維持には膨大な徴兵適齢者から身体検査・学識検査をへた優秀な兵を選抜すべきだと考え,太平洋戦争期を除いて比較的少数の人員に長期の服役を課したが,兵役をいやしいものとしたり,忌避したりする傾向は広く存在した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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