町人(ちょうにん)
百姓と並び近世における最も代表的な身分呼称。中世後期の都市で成立した町(ちょう)は,さまざまな営業を営む商人や手工業者によって形成された地縁的共同体であるが,町の正規の構成員は,町屋敷を所有するとともに町人足役とよばれるさまざまな役負担を担った。これらの条件を満たす者が本来的な意味での町人であり,その家族や借屋人などは町人とはいえない。しかし商人資本の発展や町の構造変容にともなって町人の意味はしだいに拡散し,のちには広く都市に居住し営業を展開する商工業者一般のこともいうようになった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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