長講堂領(ちょうこうどうりょう)
後白河上皇が六条西洞院の仙洞御所に営んだ持仏堂長講堂に付属された膨大な皇室領荘園群。鎌倉後期には持明院統に伝わり,その経済的基盤となった。1192年(建久3)3月,上皇から皇女宣陽門院に譲与され,承久の乱後いったん幕府に没収されたがまもなく返還。その後,宣陽門院の養女(近衛家実の女)で後堀河天皇の中宮となった鷹司院をへて後深草天皇に譲られ,以後,大覚寺統の干渉をうけつつも,持明院統の歴代天皇に伝わり南北朝期をむかえた。室町時代でも皇室の重要な経済的基盤だったが,1413年(応永20)の目録では大半を守護に押領(おうりょう)されている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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