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長歌(ちょうか)

和歌の歌体の一つ。短歌に対する語。五七句をくり返し,五七七句で終止する形式で,ふつう7句以上からなるが句数に制限はない。多くの場合短歌形式の反歌をともなうが,初期万葉のものには短・長句の音数や終止形式が十分整わず,反歌をもたないものもある。長歌形式の完成は柿本人麻呂の功績によるところが大きい。人麻呂の長歌は長大で,枕詞(まくらことば)・序詞(じょことば)・対句などを駆使し,漢詩文の影響を構想や表現に生かしており,それまでの長歌を飛躍的に発展させた。人麻呂を頂点としてその後,笠金村(かさのかなむら)・山部赤人・山上憶良・高橋虫麻呂らに特色ある作品がみられるが,しだいに衰え,文学的価値は低下した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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