中国人強制連行(ちゅうごくじんきょうせいれんこう)
太平洋戦争中に日本国内の労働力不足を補うため,日本へ中国人を強制的に連行したこと。政府は1942年(昭和17)11月の閣議決定で強制連行を試験的に開始。44年2月28日の次官会議で「華人労務者内地移入ノ促進ニ関スル件」が決定されると,同年3月の「昭和十九年度国家動員計画需要数」に3万人の中国人労働者を計上し,本格的に連行を開始。終戦までに約3万9000人が連行されたとみられる。中国人労働者は形式上雇用契約を結んで日本に送り込まれたが,その大半は日本軍の捕虜や日本占領地域内で強制的に集められた。日本での労働条件も過酷で多数の死傷者を出し,45年6月30日には秋田県花岡鉱山で花岡事件が発生した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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