1. 用語
  2. 日本史 -ち-
  3. 筑後国(ちくごのくに)

筑後国(ちくごのくに)

西海道の国。7世紀末に筑紫国が前後にわかれて成立。現在の福岡県南部。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では御原(みはら)・山本・御井(みい)・竹野(たかの)・生葉(いくは)・上妻・下妻・三瀦(みむま)・山門(やまと)・三毛(みけ)の10郡からなる。国府は御井郡内を三遷(いずれも現,久留米市),国分寺・国分尼寺も同郡(現,久留米市)におかれた。一宮は高良(こうら)大社(現,久留米市)。「和名抄」所載田数は1万2800余町。「延喜式」では調庸は綿・絹・布など,中男作物は油や海産物。筑紫国造磐井(いわい)の墓とされる岩戸山(いわとやま)古墳や石人山古墳,日岡(ひのおか)・珍敷塚(めずらしづか)などの装飾古墳,高良山神籠石(こうらさんこうごいし)などの遺跡がある。平安時代末には東寺・太宰府天満宮安楽寺などの荘園が乱立。鎌倉~南北朝期には大友・武藤・北条・今川の各氏などが守護となり,室町時代にはおおむね大友氏の支配をうけた。江戸時代には久留米・柳川・三池の3藩にわかれる。1871年(明治4)の廃藩置県の後,三瀦(みずま)県となり,76年福岡県に合併された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう