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筑後川の戦(ちくごがわのたたかい)

1359年(延文4・正平14)8月,筑後国御原郡大保原(おおほばる)(現,福岡県小郡市)で征西将軍懐良(かねよし)親王を奉じる肥後の菊池武光ら南朝方と少弐頼尚(しょうによりひさ)の北朝方が衝突した戦。懐良親王は観応の擾乱(じょうらん)による北九州北朝勢力の分裂を利用して勢力を拡張し,55年(文和4・正平10)に頼尚が南朝に帰順した機会に大宰府に進攻し,九州探題一色範氏を追った。しかし59年春に頼尚が幕府方に転じたため,菊池武光を招き本拠地の筑後国府中の高良(こうら)山(現,久留米市)から北上,大宰府から南下した頼尚と戦った。頼尚は敗退したが,懐良親王も重傷を負い,武光は追撃を断念して肥後に帰還。少弐氏はこれ以後勢力を回復できず,九州の南朝勢力は最盛期を迎える。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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