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知行国(ちぎょうこく)

国守(こくしゅ)となることがはばかられる公卿や高位身分の者に国の知行権(支配権)を与え,収入を得させることを目的とした制度。律令国司制度の変形であるとともに,一種の封禄制度とみなすことができる。平安中期頃に始まり,院政期に急速な進展をみせ,平氏政権下や鎌倉時代になると平氏一族や将軍に多数の知行国があてられた。知行国を賜与された者は国主とか知行国主とよばれ,子弟や側近を国守に申任し,守(かみ)や私的に派遣した目代(もくだい)を介して知行権を行使し,収益をあげた。知行国の早い例には,1021年(治安元)に大納言藤原実資による伯耆国がある。知行国は寺に与えられることもあり,室町時代にまで及んだ。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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