治外法権(ちがいほうけん)
国際法上一定の外国人が,現にいる国の統治権,とくに裁判管轄権や行政権の行使からまぬがれうる特権。1858年(安政5)の日米修好通商条約をはじめとする安政条約において,外国側の領事裁判権,開港場・開市場での居住貿易権,居留地設定,さらに各港細則の領事・奉行間の協議決定などが規定された。関税自主権の喪失とともに不平等条約の中軸をなした。明治政府は居留地および外国人を日本の法権下におくため,近代的法典の整備を図る一方,条約改正を外交の重要課題とした。94年(明治27)イギリスをはじめとする各国と新条約を結び,99年に発効,治外法権は撤廃された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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