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塩田(えんでん)

塩釜で煮つめるためにあらかじめ濃縮された海水(鹹水(かんすい))をえる浜。古くは塩浜とよばれ,奈良時代にその存在が確認される。塩浜のなかでは,自然浜を用いたものが最も古く,中世にはこれと並んで揚浜が主流を占めていたとされる。前者は満潮時に塩分の付着した浜砂を干潮時に集める方式,後者は人力によって海水を撒布したのち,乾燥させた砂を集める方式で,どちらもそのあと海水を注いで濃い塩水を溶出する。近世に入ると,瀬戸内海地域に堤防と海水を導き入れる浜溝とを備えた入浜が出現し,全国塩業の中心となった。入浜式塩田は,第2次大戦後,流下式塩田への切換えによって消滅。さらにイオン交換膜法が開発され,塩田そのものが姿を消した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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