延喜の荘園整理令(えんぎのしょうえんせいりれい)
902年(延喜2)3月12日と13日に発せられた一連の太政官符のうち,私的大土地所有の制限に関する官符。その中心となるのは13日付の「まさに勅旨田并びに諸院・諸宮及び五位以上,百姓の田地舎宅を買い取り,閑地荒田を占請するを停止すべき事」についての官符。これらによると大土地所有が進行していること,諸国の百姓が中央の院宮王臣家などと結びつき,その私的土地所有の確立をはかっていることなどが知られる。荘園の盛行を目の前にして律令政治への復古をめざしたものとする説と,荘園の盛行に即してその政策を対応させようとしたものであるとする説との二つの相反する評価がなされている。近年では,この整理令発布をもって王朝国家が成立したとする説もある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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