延喜・天暦の治(えんぎ・てんりゃくのち)
醍醐天皇代の897~930年(寛平9~延長8)および村上天皇代の946~967年(天慶9~康保4)の政治を,後世「聖代」として賛美した語。延喜は醍醐天皇の,天暦は村上天皇のときの年号。摂政・関白をおかずに天皇親政のかたちをとり,たとえば醍醐天皇代には,延喜格式・儀式・交替式や「三代実録」の編纂,「古今集」の勅撰が行われるなど,政治面での積極的姿勢や文化面での隆昌がみられたとして賞賛された。この時代を聖代とする見方は,数十年とへないうちにおこったという。その反面では律令体制の解体が際だち,国家体制の転身を余儀なくされた時代でもあった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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