縁起(えんぎ)
仏教の中心的な思想「因縁生起」のことで,いっさいの現象は種々の因縁(いんねん)によって生起するという考え。日本では吉凶の前兆や事物の起源・由来も意味するようになり,神社仏閣の創立・沿革の由来を説くものはとくに寺社縁起といわれた。747年(天平19)成立の大安寺・法隆寺・元興寺の各「伽藍縁起并流記資財帳」は現存最古の例とされる。中世には各寺社が布教のために霊験利益譚中心の縁起を制作し,「信貴山縁起」「北野天神縁起」などの縁起絵巻の傑作がうまれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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