絵馬(えま)
神社・仏閣に祈願・報謝・記念のため奉納する絵入りの額。神の乗物として神聖視された馬を献上したのにかわって,馬形や馬を描いた絵を奉納したのが起源とされる。絵馬の奉納習俗は奈良時代からあったが,室町時代頃から馬以外の図が現れ,また大型化してくる。同時に絵馬をかけるための建物である絵馬堂が出現する。多くは市井の絵師によって描かれたが,大型絵馬には著名画家のものも含まれる。図様は,奉納する神仏にちなむもの,祈願の目的による画題などさまざまである。奉納者自身が描いた小絵馬は民間信仰的要素を強くもち,合格祈願などのかたちで現在にまで及んでいる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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