江戸名所図会(えどめいしょずえ)
江戸の地誌。7巻。美濃判。編者は斎藤幸雄・幸孝・幸成(月岑(げっしん))の父子3代。挿絵は長谷川雪旦(せったん)。1834年(天保5)3巻,36年4巻刊。編者の斎藤家は神田雉子町名主。幸雄は実地調査から草稿を作ったが1799年(寛政11)没,幸孝は絵師に雪旦を起用し江戸近郊を増補したが刊行を果たせず没した。遺業を継いだ幸成が校訂を加えてなしとげた。江戸城を中心に七つの地域にわけた構成は,実際には江戸をはるかにこえた範囲に及ぶ。1000余を数える神社仏閣・古跡名所などの現況・沿革は,実地調査と古書の引用と考証をふまえた記述で評価は高い。雪旦の絵の精緻な描写も当時の景観・風俗を知る好史料。「日本名所風俗図会」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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