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江戸地廻り経済(えどじまわりけいざい)

近世に,江戸とその周辺地域によって構成された市場圏。範囲はほぼ関八州と考えてよい。江戸初期の江戸地廻り地域は,総じて自給的色彩が強かったが,巨大消費都市江戸の形成は当地域に大きな影響を及ぼし,江戸向けの商品生産が発展した。その結果,18世紀後半以降,各地に特産品生産地帯が生まれ,下荷(くだりに)を供給する上方市場から相対的に自立した,江戸を核とする地域市場としての江戸地廻り経済圏が成立した。これにともない,江戸と地廻り地域農村を結ぶ結節点として各地に在方市(ざいかたいち)が生まれ,農民から生産物を集荷する在方商人や,彼らと結んだ江戸の仲間外商人が成長する。そのため江戸十組問屋仲間による集荷独占体制はしだいに崩れた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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