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越後国(えちごのくに)

北陸道の国。現在の新潟県(佐渡島を除く)。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では頸城(くびき)・古志(こし)・三島(みしま)・魚沼(いおの)・蒲原(かんばら)・沼垂(ぬたり)・石船(岩船)(いわふね)の7郡からなる。古くは越(こし)(高志・古志)国の一部をなし,7世紀後半に越後国として分立。当初の国域はのちの岩船・沼垂郡域のみであったが,702年(大宝2)越中国の頸城・古志・魚沼・蒲原4郡を編入。708年(和銅元)出羽郡を新設,712年これを割いて出羽国とした。743年(天平15)佐渡国を併合,752年(天平勝宝4)再び分離。9世紀に古志郡から三島郡が分立。国府・国分寺は頸城郡におかれたが,越後国成立当初の国府とともに所在地は未詳。伊夜比古(いやひこ)神社(現,弥彦村)・居多(こた)神社(現,上越市)が一宮とされる。「和名抄」所載田数は,1万4997町余。「延喜式」では調庸として絹・布などのほかに鮭を貢進する。平安後期から城氏が勢力をもち,守護は鎌倉時代には佐々木・名越(なごえ)氏ら,室町時代は上杉氏。戦国期には上杉謙信が越中・能登とあわせ領有したが,1598年(慶長3)上杉景勝が会津に転封され,以後小藩が分立した。1871年(明治4)の廃藩置県の後,新潟県・柏崎県が設置され,73年柏崎県は新潟県に合併。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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