易(えき)
古代中国で考案された占法の一つ。占い具として算木(さんぎ)と筮竹(ぜいちく)を用いて卦(け)を立て「易経」にもとづいて吉凶を占う。「日本書紀」には6世紀中頃の欽明14年に,百済(くだら)に易博士と卜書(うらぶみ)の送付を求めたとあるのが伝来に関する初見。令制では陰陽(おんみょう)寮の陰陽師が卜筮(ぼくぜい)を職務としたが,平安中期に陰陽師は式占と称するルーレット様の式盤を用いた占法をもっぱらとし,易占は明経(みょうぎょう)道・算道の儒家や僧侶らが多く行った。室町時代には軍事占に関する需要から足利学校で盛んに易筮が学ばれた。江戸中期には儒学の興隆を背景に「周易」の研究が流行して,平沢常矩や新井白娥(はくが)らの易学者が輩出し,都市には易筮を専業とする者も増加した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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