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藩学(はんがく)

藩校・藩黌・藩学校とも。江戸時代,諸藩がその家中の子弟のために設けた学校。広義には,幕末期に多く設けられた洋学所など藩営のすべての教育機関をさすが,通常は儒学を中心とし,多くの藩では経書から学校名をつけた(時習館・明倫堂など)。19世紀を迎える前後から多く設立され,1719年(享保4)創立の萩藩の明倫館などは早い例である。幕藩体制の動揺のもとで,藩士の人材養成・選抜の機関として設けられたことをうかがわせるが,当初は中士以上を入学資格とするところも多かった。教育内容は四書五経が中心で,試験に不合格となると家禄の一部を減じた藩もある。明治期以後の士族の教育熱は,藩学の有形・無形の影響ともいえる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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