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流行神(はやりがみ)

突発的に出現し,一時的に熱狂的な信仰を集めながらも急速に信仰を衰退・消滅させてしまう神仏。この種の神仏の共通点は,雑多な神仏であること,信仰が流動的であること,霊験が個別的・機能的であること,信仰圏が限定されていることなどである。また出現にも土中出現・空中飛翔・水上漂着などの型がある。流行神創出と流行の背後にはつねに巫女や行者のような民間の宗教者が関与するが,近世には寺社が現世利益(げんぜりやく)的な霊験を故意に喧伝し,寺社経営の手段にした例もある。流行神の出現は社会変動の時期と呼応する例が多く,社会的緊張や社会不安からの救済を求める民衆によって,霊験ある新しい神仏が救済者として祭りあげられ,期待に応じられないものは祭り捨てられた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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