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剥片石器(はくへんせっき)

石核(せっかく)から剥離された剥片を素材とし,これに細かな調整加工を施して利器に仕上げた石器。剥片を利器として使用した例は前期旧石器時代にさかのぼるが,その普及は中期旧石器時代・旧人段階にある。薄く鋭い刃部をもち,利器としての効率は高い。石刃(せきじん)は剥片石器の最も発達したもので,さまざまな手法による調整加工を加えて多様な形態の石器が作りだされた。掻器(そうき)・削器(さっき)・彫器(ちょうき)・石錐(せきすい)などの加工具は世界的に存在するが,ナイフ形石器や尖頭器(せんとうき)のような狩猟具は地域的に偏っている。日本列島では旧石器末期の尖頭器文化以降,両面調整技術がおおいに発達し,縄文時代の石鏃をはじめとする新しい道具の製作・普及の基盤となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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