貧窮問答歌(ひんきゅうもんどうか)
山上憶良(やまのうえのおくら)作の長歌およびその反歌。「万葉集」巻5所収。憶良晩年の731~733年(天平3~5)頃の成立か。粗末な廬(いお),すなわち竪穴住居に住む貧しい農民の姿と,苛酷な徴税を行う里長(りちょう)のようすをうたったものとして知られる。筑前守として憶良が実際に見聞した農民の姿を描いたというよりは,遣唐使時代などに学んだ中国詩文の影響を強くうけて作られたものとする見方が有力である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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