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平賀粛学(ひらがしゅくがく)

東京帝国大学経済学部の内部抗争解決のため,平賀譲総長が両派の中心人物河合栄治郎と土方成美(ひじかたせいび)の両教授を休職処分にした事件。1938年(昭和13)12月総長に就任した平賀は,著書の発禁処分で文部省から処分を迫られていた河合の問題と,積年の経済学部教授会の派閥抗争を解決するため,河合の著書についての審査委員会と学部長会議の審議をうけ,翌年1月経済学部教授会にはかることなく,自己の責任において河合と土方の休職を文部大臣に具申した。これをうけた文官高等分限委員会により両教授の休職が発令されると,学部の自治慣行無視と思想処分的な決定に抗議した教授・助教授・助手ら多数が辞表を提出。一部教官の辞表撤回や補充人事などにより,経済学部は40年に正常に戻った。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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