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平泉(ひらいずみ)

岩手県南部,北上川と衣(ころも)川の合流点以南に位置する。古くから軍事上の要衝で,平安時代には衣川関がおかれ,衣川以北の胆沢(いさわ)郡など奥六郡とそれ以南の諸郡の境界にあたる。奥六郡を支配したのが安倍(あべ)氏であったが,後三年の役後,藤原清衡(きよひら)が江刺郡豊田館から磐井郡平泉に移居して以来,約1世紀の間,奥州藤原氏の拠点として繁栄した。1189年(文治5)藤原氏滅亡後は奥州惣奉行葛西氏が支配し,近世に入って仙台藩領。1953年(昭和28)町制施行。中尊寺金色堂や毛越(もうつう)寺は著名。また最近の発掘調査によれば,柳之御所跡は中世都市の原型を示す貴重な遺跡であり,「吾妻鏡」にみえる平泉館(ひらいずみのたち)で,秀衡(ひでひら)時代の政庁跡と考えられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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