百練抄(ひゃくれんしょう)
編年体の歴史書。編者不詳。亀山天皇在位中の成立か。全17巻のうち巻1~3は散逸。現存部分は冷泉(れいぜい)天皇の968年(安和元)から1259年(正元元)の亀山天皇の即位まで。貴族の日記をもとに編纂したと考えられるが,典拠を明記した記事は数少ない。12世紀後半部分は「吉記(きっき)」を典拠とする。末尾部分は編者の日記を利用しているといわれる。記事は朝廷の動向が中心で平安末期から詳しくなり,鎌倉時代の史料としては重要。神宮文庫が金沢貞顕書写の金沢文庫本の模写本を所蔵。江戸時代から「百錬抄」と書かれるが,本来は「百練抄」。「国史大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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