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卑弥呼(ひみこ)

「ひめこ」とも。「魏志倭人伝」にみえる邪馬台国(やまたいこく)の女王。倭の諸国間に大乱がおこったとき,それを収拾するため諸国の王に共立されて女王となった。独身で鬼道をよくしたことから,シャーマン的要素が指摘される。また男弟が助けて国を治めたという記述から,男女で支配者の権能をわけもつヒメ・ヒコ制の原形としても注目される。239年から4回中国の魏(ぎ)に朝貢。最初の遣使で魏の皇帝から親魏倭王の称号と金印紫綬をうけた。南の狗奴(くな)国の王である卑弥弓呼(ひみここ)と対立,247年に戦闘状態に陥ったことを帯方郡に連絡して督励使をうけたが,この戦の最中に命を失ったらしい。墓は径100余歩と伝えられ,奈良県桜井市の箸墓(はしはか)古墳にあてる説もある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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