江戸後期,都市に集中した農民を帰村させる政策。享保期前後から進む農民の都市集中は,農村の荒廃化や都市の治安悪化,飢饉時の貧民救済など深刻な問題をうんだ。これに対し幕府は寛政の改革期に旧里帰農令,天保の改革では1843年(天保14)に人返の法を出した。これは人々を強制的に帰村させるものではなく,都市の人別改を強化することにより江戸の人口増加を抑えることにあったが,成功を収めるには至らなかった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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