1. 用語
  2. 日本史 -ひ-
  3. 備中国(びっちゅうのくに)

備中国(びっちゅうのくに)

山陽道の国。現在の岡山県西部。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では都宇(つう)・窪屋(くぼや)・浅口・小田・後月(しつき)・下道(しもつみち)・賀夜(かや)・英賀(あが)・哲多(てた)の9郡からなる。国府は賀夜郡(現,総社市)と推定され,国分寺・国分尼寺も賀夜郡におかれた。一宮は吉備津(きびつ)神社(現,岡山市)。「和名抄」所載田数は1万227町余。「延喜式」では調として絹や糸のほか,塩・鉄・鍬がある。古墳時代には畿内に匹敵する規模の古墳が造営され,吉備氏の根拠地であった。7世紀後半に吉備国を前中後に分割して成立。守護は鎌倉時代には土肥氏・北条得宗家,室町時代には細川氏。戦国期には宇喜多氏・尼子氏・毛利氏が覇を競った。江戸時代は幕領・大名領・旗本領など錯綜していた。1871年(明治4)の廃藩置県により深津県に統合され,72年小田県と改称,75年岡山県に合併。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう