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飛騨国(ひだのくに)

東山道の国。現在の岐阜県北部。「延喜式」の等級は下国。「和名抄」では大野・益田(ました)・荒城(あらき)(中世以降は吉城(よしき))の3郡からなる。国府は大野郡(現,高山市),一時荒城郡(現,高山市国府町)におかれたとする説もある。国分寺・国分尼寺は大野郡(現,高山市)におかれ,一宮は水無(みなし)神社(現,高山市一之宮町)。「和名抄」所載田数は6615町余。令制では調庸のかわりに里ごとに匠丁(しょうてい)10人を徴発した。8世紀初頭まで斐太(陀)と表記されたが,702年(大宝2)の神馬貢献を機に飛騨が公定されたと思われる。南北朝期以降,北部に姉小路氏,南部に京極氏が台頭。のち北部は江馬氏,南部は三木氏が勢力をはり,1582年(天正10)三木氏が一国支配。近世には幕領。1868年(明治元)新政府に収公され,71年の廃藩置県により筑摩県に併合されたが,76年分離し,岐阜県に合併。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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