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常陸国風土記(ひたちのくにふどき)

諸国風土記の一つ。冒頭に「常陸国司解申古老相伝旧聞事」とあり,715年(霊亀元)の郷里制施行以前の状態を示すことから,713年(和銅6)の風土記撰進の官命の直後に上申されたものらしい。常陸国の沿革に始まり,各郡の地名起源説話や伝承が続くが,現存諸本では白壁(真壁)・河内両郡の記事を欠き,行方(なめかた)郡以外は記事を省略した注記が存在する。駢儷体(べんれいたい)による華麗な文章が随所にみられ,現存風土記中で最も漢文調が強い。内容的には孝徳朝における総領による建郡(評)記事など,歴史史料としても重要な価値をもつ。「日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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