彦根城(ひこねじょう)
金亀(こんき)城とも。滋賀県彦根市にあった近世の平山城。1600年(慶長5)井伊直政は関ケ原の戦の戦功で近江に封じられた。最初石田三成の旧城佐和山城に入ったが,03年琵琶湖に接した金亀山に築城を開始。幕府の命により7カ国12大名が普請に加わり,22年(元和8)完成。幕末まで井伊氏の居城。文禄・慶長の役で豊臣秀吉軍が築いた倭城(わじょう)に類似した構成で,山上と山麓の郭を石垣と竪堀(たてぼり)でつないだ。城下には湖水を引きこんだ総構(そうがまえ)を巡らした。本丸下の表御殿が復原され,彦根城博物館となる。天守閣ならびに櫓・多聞櫓(たもんやぐら)が国宝,太鼓門ほかが重文,二の郭の玄宮楽々園が国名勝。城跡は国特別史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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