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火消(ひけし)

江戸時代の各都市に設けられた消防組織。鳶(とび)の者による破壊消防が中心だった。江戸には武家の大名火消,幕府の定(じょう)火消,町方の町火消があり,享保期までに制度が完成した。大坂では1697年(元禄10)に市中を5地区(印)にわけ,30町内外を基準に21番組が設定された。各町は人足を指揮する印頭町(しるしがしらちょう)と,全体の代表として業務を担う火消年番町を交替で選出,消火にあたった。京都では奉行所与力のもと,火元2町四方の町より4人ずつ出動した。甲府では1660年(万治3)に火消人足600人を設け,代官・町奉行を頭として編成,1744年(延享元)には鳶の者を人足としてくみこみ,三つの町組による組織に改変された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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