比企能員(ひきよしかず)
生没 ?~1203.9.2 鎌倉前期の武将。武蔵国比企郡の豪族。上野・信濃両国の守護。藤四郎と称する。源頼朝の乳母比企尼の姉妹の子で,比企氏を継ぐ。将軍家との縁が深く,妻(渋河氏)や義妹ら(平賀義信の妻,河越重頼の妻)は源頼家の乳母,女の若狭局は頼家の妻となった。1189年(文治5)の奥州合戦では北陸道大将軍,翌年の大河兼任(かねとう)の乱では東山道大将軍,頼朝の死後は将軍頼家の外戚として勢威をふるった。1203年(建仁3)頼家が危篤となると,若狭局の生んだ長子一幡(いちまん)の擁立をはかり,弟千幡(実朝)を推す北条氏と対立,同年9月に北条時政の名越亭で謀殺された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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