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引付(ひきつけ)

原義は引照する,参考とする,の意。転じて,のちの参考のために手控えを作成すること,また手控えそのものをいう。その手控えは(1)多く寺社などで作成された日々の出来事の記録,(2)作成した文書について発給した側で残しておく手控えに大別される。鎌倉・室町両幕府の訴訟審理機関としての引付の称は,関係資料や記録を作成・管理し訴訟審理に用いることからきたと考えられる。鎌倉幕府では,裁判の迅速化を目的として1249年(建長元)に設置され,引付衆が3~7の番にわかれて順次訴訟を担当,奉行人を指揮して相論の審理にあたり,結果を評定の場に上申した。室町幕府も当初この制をおいたが,応永初年(14世紀末)には廃絶した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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