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東廻海運(ひがしまわりかいうん)

日本海の出羽国酒田から津軽海峡・三陸沖・鹿島灘・房総半島をへて江戸に至る航路。近世初期に東北諸藩はそれぞれ太平洋を南下し江戸までの廻米ルートを開拓しつつあったが,1670年(寛文10)幕府は河村瑞賢に命じて奥州幕領米の廻送ルートを整備させた。瑞賢は,堅牢とされた尾張・伊勢の廻船を雇い,これに幕府の幟(のぼり)をつけること,房総半島を迂回して伊豆にむかい,そこから江戸に入る大廻りコースをとらせること,常陸国平潟・那珂湊,下総国銚子,安房国小湊などに番所を設置して廻船の援助・監視にあたらせるなどの諸政策を実施。これにより奥州から江戸までの廻米航路が確立し,奥州米の江戸輸送に大きな役割をはたした。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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