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本末制度(ほんまつせいど)

江戸幕府により定められた本山・末寺の制度。日蓮宗の京都二十一カ本寺のように中世から末寺をもつ本山はあったが,幕府は寺院法度によりこれを制度化。本山を各宗1カ寺に限定したうえ,本山―中本寺―小本寺―平院という重層的な関係を構築し,支配機構のなかにくみいれようとした。本山は中世以来もっていた政治的・経済的特権を否定される一方,末寺への命令権,住職の任免権,寺号免許権などを与えられ,末寺に対する中央集権支配が可能となった。本山はこれをてこに,近世を通じて末寺統制を強化。末寺に対してさまざまな名目の上納金を強要するとともに,本山での主要行事への出席などを義務づけていった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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