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本百姓(ほんびゃくしょう)

江戸時代の村の正式な構成員である百姓身分の家,あるいは家長。領主に対しては年貢・諸役を負担し,村内では村役を担って村政の運営にかかわり,村や近隣の用水や入会地の用益権をもつ。無高百姓・水呑百姓に対する語。17世紀半ばまでの本百姓は検地帳に屋敷地を登録され,これにかかる夫役を負担する役屋で,名寄帳に登録され年貢を直納した。これをとくに初期本百姓ともよぶ。夫役の必要性が薄れた17世紀半ば以降は,検地帳名請地を所持するか否かを基準にし,名請地を所持する高持百姓を本百姓というようになった。17世紀に分割相続により初期本百姓から多数の高持百姓が分立したが,零細な高持百姓の発生を防止するため,分地制限令とあいまって村でも自主的に百姓株を固定した。その結果,百姓株が排他的な性格をもつようになり,家格制が発生した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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