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本朝文粋(ほんちょうもんずい)

平安時代の漢詩文集。14巻。藤原明衡(あきひら)編。康平年間(1058~65)成立か。弘仁~長元期の約200年間の詩文427編を収録。賦(ふ)・雑詩・詔・勅書・意見封事・策問・論奏・表・奏状・書状・序・詞・文・讃・論・銘・記・伝・願文・諷誦文(ふじゅもん)などの39部門に分類・配列。天皇以下68人の作者を数えるが,大江朝綱(あさつな)・大江匡衡(まさひら)・菅原文時・菅原道真・紀長谷雄(はせお)らの作品が多く,なかでも慶滋保胤(よししげのやすたね)の「池亭(ちてい)記」,三善清行の意見十二箇条は著名。「本朝続文粋」「朝野群載」など後世の詩文集の範となり,往来物や中世紀行文への影響も大きい。鎌倉時代の古写本に,宮内庁書陵部本・金沢文庫本・大河内本・石山寺本・真福寺本・身延久遠(みのぶくおん)寺本などがある。「新訂増補国史大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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